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川嶋將生 「祇園祭―祝祭の京都」

2011.07.17 16:26
祇園祭―祝祭の京都 (歴史文化ライブラリー)祇園祭―祝祭の京都 (歴史文化ライブラリー)
(2010/11)
川嶋 將生

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 祭のハイライトというべき山鉾巡行は終わりましたが。ただいま京都は祇園祭です。京都に住んでいると、この季節は何となくそわそわするものです。
 とか言いつつ、宵山にも巡行にも行かずこれを書いているわけですが(笑・だって物凄い人出じゃないですか;)、せっかくなので祇園祭りに関する本を取り上げてみました。
 本当は昨日のうちにUPさせたかったんですが、またサーバーエラー出ましたからね、FC2。。危うく書いた記事を消してしまうところでした。危ない危ない。
 
 といわけでちょっとあげるタイミングがずれてしまいましたが、本書は祇園祭りが如何にして京都の夏を彩る一大イベントとなったのか、祇園祭りと祭りを担う町の変遷を江戸時代を中心に辿った一冊。これまであまり知られていなかった祇園祭の一面も見られます。
 祇園祭りは、京で疫病が大流行した貞観11(869)に神泉苑で疫病退散を祈願して行われた祇園御霊会が始まりとされています。
 京都の、特に梅雨期の暑さは独特で、気温の高い低い以前にどよんと湿った空気が停滞して街全体に澱む。かつて衛生面が万全ではなかった時代には、疫病が流行りやすかっただろうことは想像に難くありません。祇園祭りはいわばそうした疫病を祓う目的で行われていたのですね。
 またこの貞観11年という年は、三陸沖で貞観地震の起きた年でもあります。地震発生が5月26日で祗園御霊会が6月7日なのでこの地震が御霊会と直接の関連があったかは不明ですが(祗園御霊会の縁起文には地震について書かれてはいません)、この貞観11年前後は京のみならす各地で災厄の多発した時期でもありました(祇園祭と貞観地震の関連については、ブログ 古代からの暗号さんのサイトで詳しく書かれていますので、ご参考ください)。
 祇園祭はそうした災厄を鎮める目的も担っていました。

 その祇園祭りが、今私たちが見る姿になっていったのは江戸時代のこと。
 江戸時代、京都の町は何度も大きな大火に見舞われています。中でも天明8(1788)年の天明の大火では、禁裏を含む市街地の大半が焼けてしまうという甚大な被害を受け、山鉾町でも大きな被害が出てしまう。大火ののち、打ちひしがれた京の人々を鼓舞する目的で為政者は祇園祭を強制決行しますが、被害を受けた山鉾の復興には何年もかかっています(この時再興したり比較的被害の小さかった山鉾でも、またしても山鉾町はじめ京の町を焼いた幕末の元治元年(1864)の蛤御門の変で起きた元治の大火(どんどん焼)で大きな被害を出し、大船鉾や鷹山など未だ復興していない山鉾もあります)。
 この天明の大火からの再建の過程で、山鉾は被災以前よりも華美で豪華なものへと変貌していく。今の動く美術館のような姿になっていくんですね。
 お迎え提灯や練物や宵山、更には京都の夏の風物詩・鴨川の川床もこの時期に成立します。
 
 それから意外なのが、当時の支配者層と祇園祭りのかかわり。
 この時期奉行所による統制が厳しくなり、祭礼に供奉する人の数や所持する武器の制限などかなり干渉されていたという事実が浮かび上がってくる。先程の天明の大火後の強制決行もそうですね。中でも雑色という、江戸時代に町奉行所配下の主に京の警備を担っていた役人が、祇園祭りにおいては巡行の警護のみならす諸事に渡って終始介入している。
 祇園祭りは政治の介入しない町衆をはじめとする民衆主体の祭りであると認識されているだけに、この事実は興味深い。

 最後の3分の1ほどは「描かれた祇園祭」と題して、近代前後の祇園祭を描いた絵画を取り上げて、当時の祭の様子や変遷を追っていますが、当時の文書はあまり残っていないのでこうした絵画は当時を知る一級資料なんだと改めて思いました。
 巻末には祇園祭の祭礼行列の描かれた「祗園祭礼図絵巻」(17世紀中~後半、個人蔵)を用いての山鉾巡行・神輿還幸の解説がなされており、当時の祇園祭の様子のみならす、各山鉾の解説や今は休山となっている山鉾の解説が書かれていていっそう理解が深まります。ビジュアル付きだと解りやすいので、こうした配慮は嬉しいです。

 さて。
 これでも一応京都住まいなので祇園祭りを見に行こうと思えば見に行けるんですが、毎年見られるし…と住んでいるものの惰性で未だ生で山鉾巡行を見たことがありません。。
 昨日も日中に八坂神社にお参りに行くまではしたんですが、その流れで提灯に彩られた山鉾を見に行こう!…という本来立てていた予定は、あんまり暑いのでやめました(笑)。この時期ってまだ梅雨が明けてなくて曇ったり夕立にあったりするもんですが、今年は梅雨もとっくに明けて雲ひとつない晴天でしたから、ちょっと無理でした。。
祇園祭 長刀鉾 実は勤めている会社が山鉾の立つエリアに隣接しているので休みに入るまでにちょこちょこ見に行っていて何度もシャッターチャンスがあったのに、カメラ忘れたりあったらあったで充電無かったりで結局祇園祭りっぽい写真も撮ること叶わず…。何やってんだよと自分に突っ込む(笑)。
 で、探したら数年前に撮ったのがあったのでそれをUPしてみました。山鉾巡行のとき先頭を切るので有名な長刀鉾です。コンチキチン、と祇園囃子を奏でているところ。日が暮れると駒形提灯に明かりが灯ってなお幻想的ですよ。

 祇園祭りとは本来厄病や災厄を祓う祭りです。日本が未曾有の災害に見舞われた今年は、きっとさまざまな想いや多くの祈りが捧げられているでしょう。
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テーマ:ブックレビュー
ジャンル:本・雑誌

コメント

祇園祭いいですね!
祇園祭歴史が長いんですね…興味深いです
私は京都大好きなので1度生でみてみたいです><


>塩枝さん

祇園祭優雅でいいですよね~
これがくると、夏も本番だなぁと思います。

そして、その歴史とか成り立ちについて知れば知るほど魅力を増すお祭りです^^
そういう、お祭りの縁起とかには興味があってけっこう調べてみたりもしているのに
実はまだ生で見たことがありません。。
住んでいるとついつい見逃しがちなんですよね…
私もいちどは生で見たいです。。。

祇園祭りのバイトを申し込んだことがあります(^_^;

 夜長姫さん こんばんは。
いつも私のブログにご訪問 ありがとうございますm(_ _)m

 山鉾巡行は終わりましたね(p_q)エ-ン
物凄い人出なので、夜長姫さんが外出されないお気持ちも よく分かります((´∀`))
 祇園祭りの始まりは、疫病退散の祈願であることは なんとなく知ってました(・・。)ゞ テヘ
 江戸時代は、役人が始終介入していたんですねw(゚o゚)w
勉強になります(゚―^d)グッ!

 夜長姫さんのお勤めの会社が 山鉾の立つエリアに隣接しているなんて、うらやましい(゚∇^*)dグッ!
夜長姫さんと一緒に、祇園祭を楽しみたあい(#ノ▽ノ#)

 ではまた☆

> コウさん

こちらこそいつもご訪問いただき、そしてコメントまで下さってありがとうございます!

祇園祭のバイトを申し込まれたことがあるだなんてすごいです。
私なんて、あの人出を思うととてもできそうにないです(笑)
とか言いつつ実は憧れていたりするんですけれど。。

会社から近いといろいろ見られてラッキーな反面、その前後は交通規制や渋滞やらで
仕事にならなくて、明けてから地獄を見ることになったりもします…(苦笑)

山鉾巡行は終わりましたが、祇園祭そのものは7月いっぱいまでやっているんですよね。
いろいろ調べてみると新たな発見が多くて、興味深いお祭りです。
実はわりと最近になって調べたりするようになった私などより、
バイトを申し込まれていたりするコウさんのほうがお詳しいのでは…
と思ってしましました。

それでは今後もよろしくお願いします☆
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※たいして頭の良くない人間が無い知恵絞って書いております。無断転用等はご容赦くださいね。

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