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荻須高徳展 ~憧れのパリ、煌めきのべネチア~

2011.10.05 23:53
荻須高徳展
 京都伊勢丹の美術館「えき」KYOTOで開催中の「荻須高徳展」行ってきました。最近この美術館で開催される企画展が好きな画家やジャンルのものが多くて嬉しいです(笑)。

 それはさておき荻須高徳(1901~1986)の生誕110年を記念しての本展では、彼の生涯のテーマであったパリとベネチアを描いた代表作のほか初公開となる人物画や静物画なども紹介されていて、荻須の60年に渡る画業を充分知ることのできるものでした。
 荻須は愛知県稲沢市の出身で、東京美術学校(現・東京藝術大学)卒業後25歳でフランスに渡り84歳で亡くなる1986年までパリに住みその街並みを描き続け「日本生まれのパリ人」と称された人。
 その生涯に渡る80点の作品を見てまず思ったのは、この人は日本的な風景にはまるで関心のない人だったんだな、と。関心ないどころか嫌いだったんじゃないのかとさえ思う。
 彼が描いているのは曇り空の下のパリの、そして度々長期滞在していた光り輝くベネチアの、それぞれに対照的だけれども共に石で造られているヨーロッパの街並みで、彼はそれにしか目を向けていない気がします。そのくらい、ヨーロッパに心惹かれ深く愛していたのでしょう。
 そして時代が進んでも彼が初めて訪れた当時の、歴史を感じさせながらも人々の雑然とした暮らしも息づいている「古き良き」街並みを追い続けている印象がする。1980年代に描かれたものも、わざわざかつてに近い雰囲気を残す場所を探して描いているようにも見えて、たかだか20年ほどでパリの街も随分変わったんだなぁと感じさせられました。
  個人的には、壁の一面に広告のある街角や商店の軒先の雑然とした様子などの、そこで暮らす人の気配が色濃く出ている作品が好きです。
 
 画風としては、交流もあったという佐伯祐三(1898~1928)に近いのかもしれない。広告のある街角を描いた作品などは、一見すると佐伯の作品かと思ってしまうほど。
 けれどもただの街並みに留まらず見るものの胸に迫ってくるような佐伯の絵とは違い強い衝撃を覚えることはなくて、見れば見るほどパリがベネチアがあって初めてこれらの絵はあるのだな、と思いました。
 それは荻須が画家として比較的早く成功しているからかもしれませんね。年が進むにつれて初期の作品の荒々しいタッチがひそみ、穏やかな画風になることでもそれはわかります。きっと彼は「描く」ということに葛藤した画家ではなかったのでしょうね。

 京都ではこの9日に終わりますが、下記の予定で巡回します。 
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル:学問・文化・芸術

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夜長姫

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本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
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