スポンサーサイト

--.--.-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フェルメールからのラブレター展

2011.10.16 23:44
フェルメールからのラブレター展 京都市美術館で本日まで開催されていた「フェルメールからのラブレター展」見てきました。

 会社の人に物凄い混んでいるとか何時間待ちだとかいろいろ脅されながらも(笑)地元だからと悠長に構えていたら、あっという間に最終日が迫っていて焦りましたが(苦笑)、ぎりぎりなんとか間に合いました…!
 頑張って早めの時間帯に行ったのが幸いしたようで待ち時間なしで入場できましたが、中はやっぱりけっこう混んでいて、さすがフェルメールは人気があるんだなぁと改めて実感しました。
 そのフェルメールの「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使い」「手紙を読む青衣の女」の3作品はもちろん、43点と点数は少ないですが17世紀オランダ絵画の厳選された名作が一堂に会した見応えある展覧会でした。
 この展覧会は手紙を始めとする17世紀オランダにおける人々の様々なコミュニケーションに着目が置かれていて、展示作品も宗教画や神話画ではなく人々の暮らしや日常の描かれたものが多かったです。
 オランダ絵画の特徴は、写実性と光の捉え方にあると思います。
 室内を描いたものを見ていると光源がどこにあるのかが必ずわかりますし、そうした描き方が絵に更なるリアリティを与えている。
 オランダ絵画の画家たちは、誰もがもの凄く上手い。
 描かれている人物のみならず、彼らが身にまとう衣服の布地や手にしている陶器、部屋の床に使われている材木などが、その感触がはっきりと伝わるほど、見る人が見ればそれらの種類も分かるほどに丁寧に正確に描かれていて、何よりも雄弁にこの時代のオランダについての情報を観ている者に与えてくれます。
 この時代の小説や映画を作る人たちには、ここに描かれたものは一級の資料を提供してくれる貴重な情報源でしょう。
 そして例えばルネッサンス絵画などでは大きな絵のほうが迫力ある傑作が多い気がしますが、オランダ絵画では大きなものほど散漫とした印象が拭えず、逆に図録に収録されているのがそのまま原寸大サイズの小さな作品の方が、その小さなカンバスの中に描くべき対象がぎゅっと凝縮されて素晴らしい作品が多かった気がします。
 個人的にはデルフト派の絵画として名高いピーテル・デ・ホーホ(Pieter de Hooch,1629~1684)が素晴らしいと思いました。特に「室内の女と子供」は光の描き方が絶妙でとても目を引きます。

 ホーホの作品を見て感激した私は、フェルメール(Johannes Vermeer,1632~1675)も似たようなものだろうと高をくくっていました。
 …暴露してしまうと、世間で騒がれているほど私はフェルメールという画家が好きではありません。技法的には凄いことをしているんだろうけれども、なんというかどうしても、それこそ行列作ってまで見ようと思うほど見たいという衝動には駆られませんでした。
 ところが今回じっくり見て驚きました。
 彼の絵には17世紀のオランダの「日常」がそのままあるんですよ。
 それまで見てきた絵画には、ホーホも含めどこかドラマチックというか、設えられたセットでポーズを取ったモデルを描いた感があるんですが、フェルメールの絵にはそれがない。そこには間違いなく約300年前の、フェルメールが生きたオランダの日常が広がっているんです。
 それは、こちらと地続きのように思える光源の捉え方や空間の描き方、そしてなにより人物の何気ない動作の一瞬を捉えているためでしょう。
 そんな絵が描けてしまえたこと、それが何よりの衝撃で、フェルメールという画家の凄さを思い知った瞬間でした。
 言い切ってしまいますがこれは印刷には出ません。現物を前にして、ぜひフェルメールが生きた時代を感じてほしい、そう思ってしまう展覧会でした。

 京都は今日までの開催でしたが、下記の予定で巡回します。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

非公開コメント

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
About me

夜長姫

Author:夜長姫
お立ち寄りいただきありがとうございます。
本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
拍手、コメントなど頂ければとても嬉しいです。
※たいして頭の良くない人間が無い知恵絞って書いております。無断転用等はご容赦くださいね。

Category

CategoricTag

Comment

Recent entries

Search

Link

RSS

Archive

Mail Form

質問等ございましたらこちらからどうぞ

名前
メール
件名
本文

Counter

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。