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『少女の友』創刊100周年記念号

2010.10.02 22:03
『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション
(2009/03/13)
実業之日本社

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 創刊100周年を記念して、伝説の少女雑誌「少女の友」が1号だけ復刊。
 画家なら竹久夢二、高畠華宵、中原淳一、松本かつぢ、蕗谷虹児、作家なら川端康成、吉屋信子、中原中也、堀口大學など、錚々たる面々が筆を振るった「少女の友」は明治41(1908)年創刊。その黄金時代とも言える昭和10年代を中心とした傑作記事が収録されています。
 先日紹介した中原淳一の「女学生服装帖」も、この雑誌の人気連載でした。

 内容は以下の通りの三部構成。

◆『少女の友』創刊100周年記念特集

  • 創刊から終刊までの歩み
  • 田辺聖子、中原蒼二(中原淳一の息子さん)、安野モヨコ、あさのあつこらによる特別寄稿

◆『少女の友』ベストセレクション
 黄金期と言われる昭和10年代前半の、選りすぐりの記事がセレクトされています。豪華で贅沢すぎるその内容は…

  • 中原淳一、松本かつぢ、初山滋らによる口絵(フルカラー)
  • 中原中也、堀口大學らの詩
  • 川端康成の「乙女の港」、吉屋信子の「小さき花々」、松本かつぢの「くるくるクルミちゃん」など、大評判を博した小説・漫画
  • 中原淳一の全表紙(フルカラー)
  • 付録の紹介(フルカラー)
  • 中原淳一の「女学生服装帖」
  • 読者投稿のページ
…など。

◆『少女の友』100年の物語

  • 愛読者・関係者の証言
  • 編集長・内山基のこと
  • 『少女の友』略年譜
 
 特典として中原淳一・松本かつぢ画の複製ポストカードが付いていますが、封筒入りなので勿体無くて未だに中身を見ていません(笑)。

 これまで、戦前の、「少女」という括りでまとまった書籍はあまり見かけなかったので、当時の少女たちに最も人気の高かった『少女の友』が一号だけとはいえこうして復活したのは、とても喜ばしいことです。
 読んでみてまず思ったのは、この雑誌は決して読者である少女を子供扱いしていないということでした。どの記事も深みがあって素晴らしい。華やかでエレガントで、本当にこれが戦争前夜に読まれていた雑誌なのだろうかと思うくらい。
 これは、『少女の友』黄金期に主筆(今で言う編集長)であった内山基の功績でしょう。
 彼が主筆を担当していたのは昭和6年6月号から昭和20年9月号まで、つまり戦前から戦中期間。時局柄苦労の多い中、それでも折れることなく自らの理想とするロマンチックでハイセンスな雑誌作りを目指した彼の奮闘の賜物だと思います。若干19才の中原淳一を見出したのもこの内山基。その慧眼に瞠目します。まずは彼に敬意を表したいです(ところで彼の奥さんが内田百間の長女・内田多美野と知って驚きました)。

 ここに掲載されている連載小説や漫画は一回分のみなので、全部見たい!と、餓鬼感すら覚えました(笑)。その後、川端康成の「乙女の港」と中原淳一の「女学生服装帖」が刊行されて、もう、小躍りするほど嬉しかった(笑)。この調子で、今後もどんどん復刊・書籍化してほしいですね。次は松本かつぢの「くるくるクルミちゃん」を期待しているんですが…(笑)。
 当時を知る資料としても一流じゃないでしょうか。
 教養記事として掲載されていた記事には、ロンドンの女学生の疎開の話とか 当時の時世を物語るようなものが載っていますし、何より愛読者たちの投稿ページは当時の少女たちの生の声がそのまま掲載されていて、読み応えがあります。その教養の深さに驚いたり、投稿ページの雰囲気って今も昔も変わらないなぁと思ったりしながら、でもいちばん目を引いたのは彼女たちのペンネームとともに掲載されている所在地。「東京」「大阪」などに混じって、「京城」「満州」「大連」「台北」などの地名があるんです。それを見た時、ああ、そういう時代に生きていた少女たちなんだな、とやけにリアルに感じました。その後ここに名を連ねた人たちはどういう道を辿ったんだろう。
 それから時代の雰囲気を出しているといえば、当時の雑誌に載っていた広告類ですかね。ところどころで入っているんですが、旧かな遣いなのやデザインやキャッチフレーズが時代を感じさせます。でも、吹き出物に効く薬だとか幸運を呼ぶリングだとか記憶を良くするバンドだとか、こういうたぐいの広告ってこの時代から健在だったのね、とつい笑ってしまいます。

 この本、出版社の予想を上回る売れ行き・評判だったようで、新聞で特集記事が出るわ関連書籍は刊行されるわで小さなブームを呼んでいる模様。あまり注目されてこなかったエリアなだけに、もっと広がってほしいです。
 関心のある方、入門編にぜひ!
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夜長姫

Author:夜長姫
お立ち寄りいただきありがとうございます。
本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
拍手、コメントなど頂ければとても嬉しいです。
※たいして頭の良くない人間が無い知恵絞って書いております。無断転用等はご容赦くださいね。

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