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下川耿 史林宏樹 「遊郭を見る」

2010.10.26 18:43
遊郭をみる遊郭をみる
(2010/03/31)
下川 耿史林 宏樹

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 かつて日本各地にあった「遊郭」の歴史を、在りし日の写真と共に綴った一冊。
 北は北海道から南は沖縄の遊郭が、1ページに一箇所の割り当てで取り上げられています。内容はそれぞれの遊郭の写真が一枚と、その成り立ちや歴史を簡単に綴った解説文。ただし、吉原や島原といった有名な遊郭は彩色写真を含む5~6枚の写真が収められていて、まとめて巻頭に紹介されています。
 写真資料として使われているのは全て当時市販されていた絵葉書。これは、現存している遊郭の古写真が建物や街並みを撮ったものばかりでそこに暮らす人々どころか通行人のひとりもいないのに対し、絵葉書には当時の活気がそのまま写り込んでいるような遊郭の雰囲気を出しているものが多かったためなのだそう。確かに、収められているものからは、当時の遊郭の日常を切り取ったようなものが多くあります。
 その中でいちばん目をひくのは、「外地の遊郭」としてまとめて掲載されているものです。当時の外地――韓国、満州、台湾、樺太などにも「遊郭」は存在していたのですが、その資料は極めて少なく、そこがどのように成り立ち、発展していったのかといったことはあまり知られていない、というか研究もされていないようですね。ここに取り上げられている写真は、それを知る貴重な手がかりのひとつだと言えるでしょう。
 解説文も量は決して多くはありませんが、それぞれの土地の遊郭が開設されるまでの歴史的背景や、遊郭の有名なエピソードが紹介されていたりと割と詳しく、そもそも地方の遊郭についてまったく知識のない私のような者には入門編として最適かな、と思いました。とりわけ、遊郭開設時などの年や貸座敷や娼妓の推移を示した数字が記されているのはありがたいですね。
 が、難をいうなら、取り上げられている地域に大分偏りがありことでしょうか。
 地域というか県別に見ても、県下で何箇所も取り上げているところもあれば、一箇所も取り上げられていない所もあります。埼玉、群馬、奈良、香川、山陰地方など、ざっと挙げてみただけでも有名な遊郭のあったエリアも含むこれらの地域ががまったく取り上げられていないのは、ちょっと疑問です。単に資料不足で見送っただけなのか、それでも一県一につき箇所は取り上げてほしかったですね。
 ところで一読して思ったのは、地方の遊郭が(それまで私娼はもちろんいたわけですが)明治期開設のところが多いこと、そして明治以降の遊郭の繁栄には、軍港や師団の設置など、軍隊との結び付きが大きかったということです。近代以降の地方の遊郭については関連書籍も少ないために殆ど何も知らなかったので、これは発見でした。
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夜長姫

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本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
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