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ペルシャ猫を誰も知らない

2010.12.04 23:57

 イランのクルド人監督バフマン・ゴバディの「ペルシャ猫を誰も知らない」をちょっと前に見てきました。

Story> テヘランでインディーロックのバンドを組むネガルとそのボーイフレンドのアシュカンは、規制の厳しいイランで音楽をやっていくことに限界を感じロンドンで演奏したいと思うようになる。しかしそれにはパスポートやビザの取得が不可欠。そのためふたりは、音楽業界に顔の効く便利屋ナデルの協力を得るが・・・

 テヘランのアンダーグラウンド音楽シーンを実際に活躍するミュージシャンたちを登場させて描いた本作は、ゴバディ監督が初めて故郷クルドを離れ、大都会テヘランで撮られた作品。見応え、聴き応えともに抜群です。
 なにより驚くのはイランのアンダーグラウンド音楽シーンの豊かさ。ロック、へヴィメタ、R&B、ラップとなんでも御座れ。イランの伝統音楽を今風にアレンジした音楽で知られるDarKoobなんかは、実はこの辺りの音楽を聴くと郷愁を感じてしまう(?)私にはツボでだいぶ前から聴いてましたが、西欧由来の音楽がこんなに演奏されているとは知りませんでした。
 とはいえ当局の規制は厳しくて、国内でのコンサートやCDのリリースには許可が必要で、当然西洋ジャンルの音楽は審査が厳しい。主人公ふたりが新しいバンドのメンバーを探す先々でも遭苦労話がつきません。牛小屋で練習して肝炎に罹ったり、ビル屋上で練習していたら近所の子供に通報されたり父親にブレーカー落とされたり。こう書くとコメディなのかと思われるかもしれませんが、すべて深刻な話ですよ。
 あと、それぞれのバンドの音楽が演奏されるたびに、PVみたいにテヘランの街の映像が流れてくるんですけれど、埃っぽい中東の都市をイメージしていたら裏切られる、鉄筋とコンクリートの街並みに、ここが何処なのか混乱してきます。林立するビルに大きな幹線道路、ラッシュの地下鉄…。意図的にあまりイスラムっぽくない風景が選ばれているのかもしれませんが、チャドル姿の女性やスラムの光景などがなければ、私たちの日常光景とさほど変わらないように見えます。そんなこちら側と地続きのように見えるテヘランで、けれども当局の目を逃れながら密かに自分たちの好きな音楽をやっている若者たち=「ペルシャ猫」を追っていく、その撮り方には唸らされました。


 映画では悲劇に見舞われるネガルとアシュカンですが、実際のふたりはこの映画の撮影4時間後にイランを出国、現在はロンドンで音楽活動をしているそう。
 
 映画はもちろん音楽もいいのでサントラもおすすめ。けれども国内版は出る予定ないんですかねぇ? どの曲もメッセージ性の強いものばかりだから、どうせなら対訳つきの方がいいんですけれども・・・。




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本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
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