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「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展

2011.03.28 21:13
ラファエル前派からウィリアム・モリスへ
 ちょっと前に、京都伊勢丹の美術館「えき」KYOTOで開催されていた「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展見てきました。

 ラファエル前派は大好きなのに、実はまともに生で鑑賞するのはこれが初めてだったりします;
 今でこそ京都住まいですが、長いこと田舎暮らしでなかなか機会に恵まれなかったもので…。

 そんな話はさておき、ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti:1828~1882)、バーン=ジョーンズ(Edward Coley Burne-Jones:1833~1898)、ウォーターハウス(John William Waterhouse:1849~1917)、ウィリアム・モリス(William Morris:1834~1896)など、主要な作家たちの選りすぐりの味わえる、ぎゅっと凝縮したような展覧会、予想以上に見応えがありました。
 産業革命によって急速な近代化の進んだ19世紀半ばのイギリス。こうした社会の変化に人びとが不安や疑問がもたげ始めた中で、中世、つまりラファエロ以前を理想に掲げる批評家ジョン・ラスキン(John Ruskin:1819~1900)のもとに「ラファエル前派」が結成され、やがてそれは芸術と生活の融合を目指すウィリアム・モリスの「アーツ・アンド・クラフツ運動」に繋がっていきます。この展覧会では、その流れを追っています。

 今回、年譜をまじまじと見て、ラファエル前派にしろアーツ・アンド・クラフツ運動にしろ、19世紀のものなのかと改めて気付かされました。絵の持つ雰囲気、そしてうねうねと曲線を描く植物文様など、何も知らずに見ていると、アール・ヌーヴォー期のものかと思ってしまいますが、早いものではそれより半世紀も前に誕生している。20世紀パリで花開いたアール・ヌーヴォー芸術は、こうした他国で誕生した文化を吸収した結果のものなんだと、今回認識しました。
 そして主要な画家の他にも、優れた作品を残した画家が多くいてびっくり。中にはクリムトやモローを思わせるものもありました。こうした画家たちは、イギリスの外では中々紹介されることもないんでしょうね。
 
 ところで今回生で鑑賞してそれまでの作品イメージが変わった画家は、ロセッティとウォーターハウス。
 前者はちょっと苦手で、後者はいちばんのお気に入りです。
 まずロセッティですが、彼の描く女性の、何と言うか生々しさがちょっと苦手でした。きっとさぞかしべたべたした感じの絵なんだろうと思っていたら、案外淡い描き方をしているんですよ。今回油彩ではなく水彩画が多く来ていたためかもしれませんが、その水彩画がどれもまるでパステル画のようなぼかし方がされていて、淡くて幻想的な仕上がり。画像にUP出来るしている「レディ・リリス」などは本当にびっくりしました。あと、習作も何点がきていたんですが、とにかく上手い。美しい。
 一方のウォーターハウスは、私は彼こそ淡い水彩画みたいな描き方をしているのではと思っていたのに、意外なことにべたっとした油彩特有のタッチでびっくり。それが、数歩下がって全体を眺めてみると、あの、なんとも言えない幻想的な絵になっているのだから不思議です。
 これは印刷には出ない、実物を前にして初めて分かるものでした。
 逆に印刷物と変わらない印象だったのはバーン=ジョーンズ。水彩画なのにパステル画でぼかしたような不思議な仕上がりそのままでした。

 これらラファエル前派の作品は、絵画のみならずそれを飾る額縁も素晴らしかったです。先にあげたロセッティの「レディ・リリス」だったら、リリス、つまりアダムの最初の妻の話が彫り込まれた額に縁どられていたり。画集や図録には、これら額縁もちゃんと収録してほしいと思うくらい。

 絵画だけではなく、モリスが推進したアーツ・アンド・クラフツ運動の残したタペストリーやテキスタイル、ステンドグラスや陶器なども多く展示されていました。
 あと、今回いちばん嬉しかったのは、ロセッティやバーン=ジョーンズが下絵を手掛けたステンドグラスの下絵と実物の両方が展示されていたことですかね。じっくり堪能致しました。

 京都ではこの27日までの開催でしたが、このあと東京・目黒と鹿児島へ行くそうです。
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テーマ:絵画・美術
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本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
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