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三木笙子「世界記憶コンクール」

2011.05.07 01:32
世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)
(2009/12/11)
三木 笙子

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 心優しくてちょっとお人好しの記者・里見高広と自信家の美貌人気天才絵師・有村礼が繰り広げる明治の帝都探偵物語第二弾。
 「世界記憶コンクール」「氷のような女」「黄金の日々」「生き人形の涙」の4編を収録。
 前作は主役のふたりの活躍がメインでしたが、今回は周辺の登場人物にスポットが当たったお話が多いです。
 各物語は以下の通り。

◆世界記憶コンクール
 「記憶に自信のある者求む」という求人に応じた博一。昔から見たものを瞬時に記憶できる能力に長けていた彼は即時採用される。しかし突然雇い主の教授と連絡が付かなくなってしまう。奇妙に思って、友人の里見高広に相談する。ホームズ狂いの礼はこれを「赤髪連盟」に酷似していると興味を持ってしまい…。

◆氷のような女
 高広の義父・基博がまだ政治家を目指す一青年だった頃。世間ではまだ氷が珍しく、それに便乗するように汚染された悪水氷が出回っていた。基博はこれを調べようとするが…。

◆黄金の日々
 ある事件で高広と礼の世話になった恵少年は、晴れて東京美術学校にに入学する。そこで出会ったイギリス人との混血児なのに生粋の江戸っ子・唐澤幸生と親しくなる。幸生は養父であった陶芸家も母も亡くしていたが、そこにイギリス人の叔母が現れ、父のもとに来てほしいと言う。さらに、幸生の周囲では、亡き養父が復活させたという幻の釉薬を求める人間も現れるが…。

◆生き人形の涙
 かつて、英国大使館書記官として幕末の日本に来日していたアーリントン卿。彼は王弟の名代として再び日本の地を訪れた。そんな彼とあるトラブルを救ったことをきっかけに知り合った高広は、彼の口からかつて体験した不思議な出来事を聞く。それは、かつて隣に住んでいたある生人形師と彼の「弟」人形の話で…。


 前作は高広と礼が事件に遭遇してそれを解決する、という展開のものばかりでしたが、今回はこのふたりをちょっとサイドに置き、事件に巻き込まれる人物を中心に添えた書かれ方がされています。「氷のような女」は高広の養父・基博の若い時の話なので、ふたりは当然出てきません。
 圧巻は「生き人形の涙」。大好きな人形をモチーフにしていることもあるんですが、このお話が、本シリーズの中で一番好きです。他のお話に比べても雄時代の暗さや哀しさが出ていますし、何より切ない。その切ないのを人形という、魂のないものに上手く仮託している。ラストはじんわり泣けてきました。
 シリーズは現在3作目まで出ていますが、これがいちばんのお勧めです。
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夜長姫

Author:夜長姫
お立ち寄りいただきありがとうございます。
本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
ジャンルは何でもござれですが、微妙な偏りがあるみたいでそれに流されがち。好みの合う方がいらっしゃれば大歓迎です。
本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
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※たいして頭の良くない人間が無い知恵絞って書いております。無断転用等はご容赦くださいね。

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