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ダンシング・チャップリン

2011.05.10 22:30

 周防正行監督のバレエ映画「ダンシング・チャップリン」観てきました。

Story>「街の灯」「チャップリンの黄金狂時代」などチャールズ・チャップリン作品をモチーフとするローラン・プティ振り付けのバレエ作品「ダンシング・チャップリン」を、ドキュメンタリー部分とパフォーマンス部分の二部構成で映し出した異色作。

 主役はあくまで「バレエ」なので、(私みたいな)バレエ好きには楽しめる一本ですが、周防監督の「映画」を期待するなら、ちょっと肩透かしな作品かもしれません。
 ローラン・プティがダンサー、ルイジ・ボニーノのためにつくったというバレエ「ダンシング・チャップリン」は、1991年初演の作品。
 振付家ローラン・プティは、例えば同じフランス出身の振付家、故・モーリス・ベジャールのような哲学的で芸術性の高い作品ではなくもっとショー的な、単純に見ていて楽しめるエンターテイメント作品をつくり出す振付家。
 プティとチャップリンという上手い組み合わせに、チャップリンを主題にした作品なら、そらプティ以上にいいものをつくる人いないんじゃないのか? と思ってしまった。
その「ダンシング・チャップリン」を、クランク・インまでの舞台裏を追った第一幕「アプローチ」とパフォーマンスの第二幕「バレエ」の二部構成にしている。

 「アプローチ」では、チャップリンの息子さんへの取材などの貴重な映像はもちろん、この舞台の映像化に携わる人たちの真剣で時に緊迫したやり取りが見られる。
 いちばんひやひやしたのは周防監督とプティとの打ち合わせ。映画にするのならただの舞台中継ではないものを撮ろうとする監督が、「二人の警官の踊りを舞台ではなく実際の公園で撮りたいと言うと、プティはそれなら「この話はなかったことにする」。プティはあくまで舞台芸術は舞台で行われるべきだと言うのだ。
 クランク・インを間近に控えるダンサーたちにも一波乱。草刈民代と若手の男性ダンサーが踊る「空中のバリエーション」が、いつまでたっても安定しない。男性ダンサーがコンテンポラリー・ダンス専門のクラシックバレエに慣れていない踊り手であるために、草刈を上手くサポートできないのだった。リフトが安定を見せず、「映像に撮ったらゆらぎが全て出てしまう」と草刈は言う。急遽、他のダンサーに変更に。

 これらは、バレエという本来は「生の」芸術をどう映像芸術である映画にしていくのか、両者の間にある差異を認識し埋めていく過程でもある。
 そして、出来上がった「バレエ」映像は――、と、まだかまだかと「幕」が上がるのを待ってしまった。
 上手い「演出」である。

 バレエ映像は素晴らしいです。
 まず、チャップリン役のボニーノがいい。還暦を迎えたとは思えない踊りは、コミカルなだけではない哀愁を漂わせて見るものを惹きつける。人生が滲み出ているような。世界中で、チャップリンを踊れるのは彼くらいのものじゃないだろうか。
 そして草刈民代。彼女は日本人で唯一プティ作品に登場する「ファム・ファタール」的女性を踊れたひと。コケットリーに溢れるその魅力は、本作からも余すところなく伝わってくる(旦那さんが撮ったんだし当然か・笑)。「黄金狂時代」と「街の灯」、そして揉めに揉めた「空中のバリエーション」は特に良かった。これが彼女のラストダンス。まだまだ魅力的で踊りも素晴らしいのに、残念ですね。
 「バレエ映像」としての見せ方も、良かったです。さすが、というか、ちゃんと「踊り」を撮っていて、見ていてストレスありませんでした。
 ただ、件の「二人の警官」は、監督が勝利したのか(笑)野外で撮られてましたが、舞台から一転、突然青々とした緑が画面に出てくるのは、ちょっとそこだけ浮いていなくもないような。いわゆる「幕間」的なものと捉えればまぁこれもありなのか、とも思わなくはないですが、違和感が残りました。
 バレエには言葉がない。踊りなのだからそれは当然なんだが、同じく多くの作品に「言葉のない」チャップリンの映画作品は、バレエにしてみるととてもしっくりとなじむ。意外な発見でした。

 今回の映像化ではオリジナル版が短縮されているので、いつか通しで舞台で見てみたいですね。
 というか、日本に来てほしい!

 あと、バレエ映画と言えば!
 「ブラック・スワン」楽しみすぎる~!!
 待ちきれないので、さっそく観に行ってきます!
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夜長姫

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本や映画や音楽の感想を新旧問わずマイペースに書いています。
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本、というか文芸は物語のしっかりしたものよりは、迷宮に迷わせてくれるような作品が好み。映画は劇場鑑賞派です。
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